Lispその後
現在進めようとしているプロジェクトにLisperの若い人が加わりそうなことになって、関連のホームページをみているうちに、なつかしくなり、またかなりのことを忘れていたけれど、徐々に思い出して、結局なんだったのか、今の心境を書いてみたい。
Lisp1.5これのおもしろさは今のLispの世界からは消えたようだ。おそらく数少ないジョンマッカーシーと会い、一緒に箱根に行ったりした人間として、Common LispにしてもSchemeにしても、楽しさの中核がなくなってきていることに寂しさがある。
やっぱりLispはダイナミックバインディングでなくちゃー。デスクワークをしていていっぱいたまった未決箱の中に、ひょっとアドホックに先に処理をしたほうがいい書類を乗っけたり、前にのせてあるものをちょっと意味を変えるオーバーレーをしたり、そんなキケンな行為ができるから楽しかった。もっともそういうことはそうあることではないから、特殊な世界なんだろう。
そして、性能が問題になり、コンパイラを意識して、Lexical Bindingがはいった。ところが加えたい機能をいろいろ議論するのはどんどん進んだが、結局処理系の性能が追いつかない。なので、スタティックな環境でいける仕事はみんな別の言語に行った。CLOSというオブジェクト指向言語仕様も一生懸命考えてみんなでまとめていったが、そこまでかな。
結局、Lispはスクリプト用の言語というかインタプリタのための言語、というのが個人的な印象。
とりあえず。
地震予知か地震の解明か
昨日、テレビを見ていて思った。普段は届かないFM電波がなんらかの具合で届くことがあり、それが地震予知に使える、届く期間の長さがマグニチュードに関係し、その後届かなくなってほぼ10日後くらいに地震が起きる、という。実際に適用してみて、100%予知できている。その理由も説明できそうだという。9月の十勝沖地震の予知の場合についても放送された。北海道大学のある研究者の話。
一方、活断層が絡んだ地震は、マグマと水が原因にあって、地表近くのマグマの活動に付随して、水塊が地中にできる、それが活断層面にくると、その面がすべりやすくなる、何かの具合があると、そこがすべる、という研究が東北大学であって、それに相当するマグマの活動を見ていると日本の中でどこで地震が起きそうかわかるといういう。
経営学と経済学の関係、ITと情報科学の関係、基礎と応用の関係などが頭をよぎった。ITのプロはどういう場面でどういうテクノロジーを適用するか、という話だ。構造の解明は時には二の次になる。地震の解明ができることを期待するし、原因がわからない現象にメスがはいるのはわくわくするが、症状の解決策を模索することは即効性があるし、多くの人の生活に直結する。